「おっしゃる通りです。脳の模型を作って動体視力の変化を確認できたら、脳の模型に軟膜を加えて、動体視力の変化をチェックします。」

「なるほど。それなら、軟膜を緩めた効果がチェックできますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「しかし、軟膜の可動性はチェックできないのではないですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。軟膜の可動性が上がると言ったのは、『人間の臓器は、可動性が上がると機能が上がり、可動性が低下すると機能が下がる』という仮説に基づいて推定しています。」

「なるほど。先ほど言われた『神経系が緩む』というのも、神経系の模型を作って実験しているということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「話が横道にそれてしまいましたが、『頭の皮膚の可動性は脳の軟膜の可動性と連動していて、頭の皮膚の可動性がなくなると軟膜の可動性がなくなり、鬱になる』ということは理解できたような気がします」と町会長。

「『肝機能が低い人は風邪を引いて肺の機能が低下し、経絡の連鎖で腎虚から肝虚になったとき、頭部の筋肉が委縮して頭の可動性が低下します。さらに経絡の連鎖で心機能が低下したとき、心臓を防御する反応として起こる脾虚によって、頭の皮膚の可動性がなくなると鬱になってしまう』ということはご理解いただけたということですね。」

「確かに、そう考えると、人間の鬱は心臓防御反応と呼ぶべきものですが、猪の場合は、心経が虚しているのではなく、督脈が虚しているのでしたね」と町会長。

「鋭いご指摘です。僕も、この点については頭を振り絞って考えました。ヒントになったのは、先ほど話したように、うり坊は三焦虚だということと、猫は三焦虚で鬱になってしまいますが、子猫は経絡的な問題がないということです。」

「ウリ坊は三焦虚なので子供の時から鬱で、成長すると酷い鬱になるということでしたね」と町会長。

「そういう可能性はあると考えていました。しかし、うり坊は成長した猫と違って、頭が固まっていません。」

「ネコは肺の機能が弱いため、経絡の連鎖で腎臓の機能が低下し、その結果頭蓋骨が固くなってしまうということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。子猫には経絡的な問題がないと言いましたが、注意深くチェックすると、三焦経の気の流れが弱いという特徴があります。三焦経は薬指から出ているので、爪が固いため、三焦経の気の流れが弱くなっているのだと思います。うり坊の場合は、蹄なので、子供の時から三焦経の気が止まってしまっているのでしょう。」

「なるほど。それでは、子猫が成長して爪が固くなると、うり坊のように三焦虚になってしまうということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。猫は肺が弱いので連動して腎臓の機能が急速に低下します。すると、骨が腎経に属しているため、頭蓋骨を含めた骨全体が固くなりますが、督脈に気が流れないという状態までは行かないのだと思います。しかし、成長とともに三焦経が出ている薬指の可動性が低下すると、小指の内側から出ている心経の可動性が低下して、心機能が低下し、脾虚によって頭の可動性が低下して、軽い鬱になるのだと思います。」

「それでは、猫の場合は、頭蓋骨の可動性がわずかにあるのに鬱になるということですか」と町会長。

「おそらく、イノシシのように督脈が完全に虚すようになると、脳の機能の低下で死んでしまうのだと思います。それで、督脈が虚した猫がいないのでしょう。」

「督脈が虚しても猪が死なないのは、どうしてですか」と町会長。

2019/12/28

※僕の仮説では、小脳の軟膜の可動性は手のひらの皮膚の可動性と連動している。そのため、医学的に原因不明の掌蹠膿疱症は、肝機能低下で小脳の軟膜の可動性が低下したとき発病すると推定されるが、フォスファチジルセリンを服用して小脳の軟膜の機能を高めれば、症状が改善する可能性が高いと推定される。但し、飲酒の習慣がある人は、飲酒を止めないと症状が改善しない可能性が高い。

2022/11/7